スイス出身の彫刻家の家庭にウィーンで生まれる。ウィーン・アカデミーで学ぶ。いまでは顧みられなくなってしまったが、おもに歴史や伝説をテーマとする挿絵や水彩画で知られていた。その作風はビーダーマイヤーの様式を示している。
やがてウィーン美術アカデミーの教授にまで登りつめたガイガーであったが、その死後に遺品のなかから思いがけない代物が発見された。それは合計10点の水彩画である。9点までが男女のあからさまな性交図であり、挿入のさまがはばかりなく描かれている。そのうち数点は明らかに僧侶が主役を務めている。残りの一点は女性のオナニズムの描写となっている。
(ガイガー略年譜)
1805年 スイス出身の彫刻家一族にウィーンで生まれる
1849年 ウィーン美術アカデミーで教え始める
1853年 同アカデミーの教授に就任
1880年 ウィーンにて死去
Peter Johann Nepomuk Geiger
Zehn erotiche Aquarelle
Wien, 1909