フランスの素描画家、カリカチュア画家。
社会風俗を諷刺した石版画画集《当世風変身譚》(1829)で成功を収め、『カリカチュール』紙では筆頭寄稿画家として政治的カリカチュアを次々と発表する。ラ・フォンテーヌの『寓話』や国民詩人ベランジェの詩集などへの挿絵でも活躍。
グランヴィル作と伝えられるエロティック画に、動物の頭をした人物が繰り広げるグロテスクな性愛図絵がある。これは、彼の政治的カリカチュアや《動物たちの私生活と交生活の情景》(1842)で用いられた「獣頭人間」の趣向のエロティックな翻案である。ただし、グランヴィルの奇抜な着想を拝借した周辺画家の作である可能性が高い。