フランスの画家、版画家、素描画家。『カリカチュール』誌や『シャリヴァリ』紙などに、おもに同時代の政治と社会生活を風刺する厖大なカリカチュアを寄せる。ドーミエがエロティック画を残したことは一般には知られていない。エードゥアルト・フックスは、ドーミエの五点のエロティック水彩画について言及している。フックスによれば、一点は劇場の桟敷席でいちゃつく男女を描いたものであり、残りの四点はクールベが老境にさしかかった1863年の作で、ルイーズという名の女友達との情事を反映しているという。そのルイーズとの愛の形見には、ベッドで女の股間を愛撫する男や、厨房で後背の交わりをしようとするカップルが、赤裸々に臨場感を込めて描かれている。