ドイツの素描画家。
ウィーン近郊の貴族の家柄に生まれる。オペラ『ドンナ・ディアナ』の序曲で知られるエミール・ニコラウス・フォン・レズニチェクとは異母兄弟。
はじめ軍職にあったが、やがて独学で絵を描き始め、パリとミュンヘンの美術学校で学ぶ。1896年ミュンヘンで創刊された絵入り週刊誌『ジンプリチシムス』でおもに活躍し、ほどほどのお色気と軽い社会諷刺を交えた挿絵で人気を博する。小説の挿絵、シャンパン広告などのポスター画、ポストカード、ブックカバーやカレンダーなどのデザイン画でも麗筆をふるう。
レズニチェクのお得意はもっぱら女性であり、上流階級の見目麗しい令嬢や貴婦人、歓楽街の娼婦、ウィンナワルツやカンカンの踊り子たちの艶姿を品よく物語性豊かに描きだした。